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井上和弘著『儲かるようにすべてを変える』(日本経営合理化協会出版局、2000年)
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30年もの間は著作を極力控えてクライアント企業の内部に深く入り込んで「必ず儲かる会社づくり」
に徹してきた根っからの実践派が、満を持して書き上げた経営指南書です。
大企業のサラリーマン社長にはピンと来ないアドバイスもあるかもしれませんが、中小企業やオー
ナー企業の社長にはグーッと来るものがあるのではないでしょうか。「京セラの稲盛さんやヤマト運
輸の小倉さんよりも良く、船井さんや大前さんの本など比べ物にならない」と絶賛している社長もい
ますが、分かる気がします。
数ある提言の中でも私が特に共鳴したのは、「矛盾というなかれ、真理は常に中間にあり。社長の
価値判断で大切なことは、相対するものの間を行ったり来たりするバランス感覚にあると考えてい
る。」というところです。これは、仏教の中道の概念にも繋がる普遍的な真理だと思います。
なお、井上氏はその後『稼ぐ商品・サービスづくり』のいう本も出版していますが、正直いって、こちら
は(費用対効果という点で)イマイチです。しかし『儲かるようにすべてを変える』は、10,290円(税込
み)という高い値段を考えても、是非とも購読をお勧めする役立つ名著だと思います。
この本は、先ず「まえがき」で、儲かる経営に必要な要素」は、「体質」(健全な財務内容)、「体温」
(トップと社員の意思疎通の良さ)、「気温」(企業を取り巻く環境)次の3点であると主張している。
全く、同感です。
以下、目次を抜粋したものを紹介します。
第一章 収益力を急回復させる--たたむ・削る・変える
1 年商の30%が一挙に消滅してなお増益に
突然の窮地に追い込まれて/工場に札束が散らばっている/商品アイテム数の大幅削減/主力
商品を絞って磨く/商品が輝きだした/異分野からの人材登用が奏功
2 利益1.5倍をひねり出した商品リストラ
収益力を大きく損なう無償交換薬制度/救急箱の中身を3品目に限定/製造アイテムも5年間で6
割以上を削減
3 8割の得意先を失っても4倍の売上
多額の負債を抱えて得意客の8割を失っても/スタンド内の自社所有資産は事務所の机ぐらい/い
かに有利な仕入れにもっていくか/?読み?が当たった「持つ」から「借りる」への変化
第二章 利益増大の次の一手--回転経営への転換
1 利益を増やす5原則
利益実現の5原則/状況で異なる原則対応/多すぎるビルド&ビルド経営
2 これからの経営は「回転経営」である
経営とは総資産を回転させて、利益を伸ばすこと/なぜ資産が回転すると利益が増えるのか/な
ぜ粉飾するのか/回転が悪いとお金に詰まりやすい/総資産を減らせ/「所有したほうが安心」と
いう価値観を捨てよ/会社の資産がなくても経営に支障はない/在庫は諸悪の根源/社長の決
断が在庫を減らす/手形と手を切れ/日本経営の常識は国際ビジネス社会の非常識
3 良い会社とは「社員に厳しい会社」である
「人に優しすぎる経営」の反省/社員のやる気に頼るな/できない人には辞めてもらう/結局、本
人のため/数字のオープン化で悪貨を駆逐する/自発的に伸びようとしない人材は対象外会社は
「マジメ人間」だけを揃えても良くならない/今の経営に「ほめる」は不要/社員を家族と考えるから
何もできなくなるハードワークに喜びを感じる会社を目指せ
4 二枚腰経営の六原則
経営手腕は「減収経営」にあらわれる/二枚腰経営のすすめ/「二枚腰経営」六つの原則/「スク
ラップ&ビルド」は二枚腰をつくる
第三章 商品・サービスへの手の打ち方
1 自社の強味を徹底的に磨く
商品力の本質/「いま何で儲かっているか」をまず、見極めよ/「にぎる・まとめる・活用する」/主
力商品の個別原価を算出せよ/力を注ぐべき商品を選別する/「造血商品」を見つける/主力商品
は5つ以内に絞り込め/アイテムを増やせばリスクが高くなる/大ヒット商品を出した会社は危険で
ある
2 商品の原価を徹底的に下げる
「仕入れ」にメスを入れよ/仕入値を必ず下げる6つの方法/一年間で経常利益三倍増/利益を出
せば前に進むことができる/なぜ「業務用」が「一般家庭用の小口パック」より割高なのか/怠慢
が原価を無意識に上げている/発売時と同じ材料を使っていないか
3 早く売れておカネになるサービスを創る
なぜこの会社に注文が集中するのか/「モノ」の前と後を事業化せよ/「すべての業種のサービス
業化」がねらい目/「便利屋」はソリューションビジネスの元祖/先効果・後効率主義/得意先・取
引先の新需要を開拓する/つねに陽のあたるところに身をおけ/陽のあたる業界へはナレッジ(知
価)で攻めろ
第五章 人と組織への規模別手の打ち方
1 「稼ぐ組織」の五条件
人員整理は社長の恥さらし/社員のやる気に期待する時代は終わった/組織は利益を稼ぎ出すた
めに存在する/社員は「会社第一主義」で行動させよ/利益の出る組織の五つの基本原則/すべ
て正社員でこなす時代ではない/営業もアウトソーシングの時 代/定期昇給のない給与体系/
定期昇給を廃止する二つの対応策/時給社員の活用/人を使わない、増やさない組織/ライン&
スタッフ型を貫く/社員があこがれをもてる給与体系に
2 幹部の揃え方、しつけ方
なぜこの会社では幹部が育つのか/有能な片腕が三人いれば組織は動く/片腕さがし「139の
法則」/社長と片腕は何歳はなれているのが理想か/広く深く常に求めつづける/だまされても裏
切られても人を信頼して用いる/役員に登用する七つの条件/これからの幹部に求められるもの/
管理職のしつけに何がいちばん大事か/社長の分身の適格者
3 社員のしつけ方
ほめるより叱れ/体温を合わせる教育/教育は目的でなく手段である
第六章 新たな高収益体勢づくり=しかける・仕組む・しつづける
1 三仕経営のすすめ
しかける・仕組む・しつづける/新しいお客様を生む/三つの心がけ二つのカギ
2 儲かるように「仕組む
三つのキーワード/経営のスピードアップ/全社の業務を革新する
3 しつづけるというこ
つづける執念/真理はつねに中間に/つづけさせるための「会議と教育」
4 社長の経営革
革新する目/革新する心/ハイテクばかりが能じゃない/文化をビジネスにせよ 他
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