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ストックオプションの最大のメリットはベンチャー企業でも優秀な人材を採用しやすくなることである。
ベンチャー企業は、特に創業期においては、売上高は少ないにも関わらず、研究開発費、設備投資
費、マーケッテング費用など支出がかさみ、利益を上げれるようになるまでには時間がかかる。利
益を上げられるようになっても暫くの間は、できるだけ多くの資金を研究開発や設備投資に回して経
営基盤を安定させたいものである。したがって、ベンチャー経営者にとって、現金支出のない現物支
給でしかも出世払いでいいストックオプションは非常に魅力があるのである。
もし、大企業までストックオプションを付与するようになれば、優秀な人材獲得はまた難しくなると懸
念する向きもあるが、あまり心配はいらない。なぜなら、大企業では株価が既に高く、しかも成熟し
た産業が多いので、これから株価が二倍、三倍となる可能性が低い。一方、ベンチャー企業であれ
ば、株式公開によって株価が二〇倍、三〇倍になるのは普通の現象であって、一〇〇倍になること
だって夢ではない。したがって、同じストックオプションをもらうのであれば、ベンチャー企業から貰う
方がずっと魅力的なのである。もちろん、人材の採用時だけでなく、採用後も優秀な人材をつなぎ止
めておく手段としてもストックオプションは有効であり、米国では「ゴールデンハンドカフ(黄金の手
錠)」と称されることもあるほどである。
それ以外のストックオプション制度の持つ一般的なメリットとしては、長期的で広い視野に立った努
力が期待できることがある。一般的なストックオプション制度では、ストックオプションを付与されて
も、暫くの間(例えば一年間)は権利を行使できなくなっている。、カンフル剤を投与するようにして一
時的に業績をあげところで自分の利益にならないのである。むしろ、時間はかかっても確実に会社
のためになるような施策が自分の利益になるのである。年棒制や歩合給制ではややもすると目先
の利益を上げることだけに一生懸命になって長期的な施策がおろそかになりがちだが、ストックオプ
ション制度ではこうした弊害が除去できる。また、ストックオプションの利益の源泉である株価は会
社全体の業績によって決まるので、社内のセクショナリズムを排除することができる。さらに、社内
の部署間で積極的な協力も期待できる。
一方でストックオプション制度のもつデメリットもないわけではない。一つはストックオプションを与え
られた役職員が必要以上にリスキーな行動をとるようになる可能性があるという点である。
ストックオプションは権利であって義務でないことから、与えられた人は株価が下がっても一切損失
がなく、株価があがれば無限に利益を上げることができる。であれば、与えられた人としてはリスク
が高いと承知で一発勝負的な行動をとりたくなってしまいがちである。したがって、こういう弊害が抑
えるためには、ストックオプションの権利行使禁止期間を長くするとか、一度に権利行使できる株数
を制限するなど、条件設定に工夫をする必要がある。
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