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FAQ

公的支援にはどのようなものがあるか。
ベンチャービジネスは、リスクが非常に高いため、銀行などから融資受けることは比較的難しい。特 に事業が安定していない創業期は不良債権化するリスクが高いので、企業側の資金需要が高いに も関わらず、資金調達は非常に困難である。中でも、コンピュータソフトなどのサービス関連の事業 では担保として提供できる資産もないため、民間の金融機関からの借入は極めて困難である。これ まではこのような資金面での問題が原因でせっかくのアイデアを事業化できなかったケースも少なく なかった。
しかし近年はいわゆる公的支援制度が急速に整備された。早大の松田教授に言わせれば「行政が やるべきインフラ整備は行き過ぎているくらい」だそうえである。したがって、これらをうまく利用さえ すれば、単に資金繰りだけの理由で事業化が失敗するケースは減少しつつある。
主な公的支援を紹介すると次のとおりである。
【産業基盤整備基金・新規事業投資株式会社】
産業基盤整備基金は新規事業法に基づく大蔵省・通商産業省の共同管轄の特別認可法人であ り、新規事業に必要な資金調達ために行った借入や社債発行に対する債務保証を行う。
債務保証は一定の要件を満たす新規事業を行う者であると通産省に認定されることを前提として、 その新規事業に必要な設備資金(土地を含む)及び運転資金に対して行われる。
保証は社債及び借入金の元本の七〇%以内で、最高限度額は一五億円である。
この産業基盤整備基金の保証による社債や借入金を行っても十分な資金を調達できない時には、 新規事業投資株式会社から出資を受けることができる。ただし、通産省の認定事業者であり、設立 三年以内の資本金一〇億円以下の企業であることが条件となる。

【財産法人ベンチャーエンタープライズセンター(VEC)】
通産省認可に基づく財団法人であり、研究開発型及び知識融合型の企業への「無担保債務保証」 を実施している。通産省が銀行など民間機関と共同で七五年に設立した。
研究開発型の企業の場合においては、新技術・新製品等の研究開発とその成果の企業化のため の資金を対象とし、土地や建物の取得費用、運転資金及び増産のための設備資金は除外される。 なお、医薬品やデサイン、ソフトウェアの関するプロジェクトは対象から除外されている。保証額は借 入金額の八割で、一プロジェクト当たり一億円以内と決められており、保証期間は八年以内であ る。保証を受けるにあたって担保は不要であるが、保証人(原則としてその企業の代表者)及び保 証料(保証金額の年二%)は必要である。
一方、知識融合型の企業の場合においては、新たなサービスの提供方法に関わるノウハウ開発に 必要な資金を対象とし、研究開発型と同様、土地や建物の取得費用、運転資金及び増産のための 設備資金は除外される。保証額は借入金額の八割で、一プロジェクト当たり五〇〇〇万以内と決め られており、保証期間は八年以内である。保証を受けるにあたって担保は不要であるが、保証人 (原則としてその企業の代表者)及び保証料(保証金額の年一%)は必要である。
VECでは、債務保証だけでなく、起業家同士の情報交換などのベンチャービジネス支援業務も行っ ている。

【中小企業投資育成】
投資育成会社は中小企業投資育成会社法に基づいて、六三年、東京、大阪、名古屋に設立された 公的なベンチャーキャピタルであり、八六年に民営化された。
事業内容は、中小企業への投資と投資先への経営や技術に関するコンサルティングである。投資 とは、具体的には投資前の資本金が一億円以下の中小企業が発行する増資株式、転換社債(C B)、新株引受権付社債(ワラント債)の引受けである。投資を受けるためには、直近三期の決算書や 事業経歴書、株主名簿が必要である。
一般の事業の場合は直近二期の一株当たりの税引前利益が一七・五円以上、又は配当実績とし て一株当たり五円以上の配当を行っているかがチェックされるが、「ベンチャービジネス」の場合に は一株当たりの税引前利益が五円と大幅に引き下げられている。
ベンチャービジネスとして認定されるためにはは具体的には、設立後一〇年以内の企業で、先端的 又は独創的な技術・ノウハウに裏付けられた製品・サービス提供を行っており、売上高に対する試 験研究費の割合が三%以上である必要がある。
資金調達の方法にはどういう方法があるのか。また、それぞれの特性は。
資金調達の方法には、家族・知人からの借入を始め、銀行融資、証券市場からの株式公募までい ろいろなものがある。
ベンチャービジネスを成功させるためには、それぞれの調達方法について、その長所・短所を十分 に考慮して、適切な財務管理を行うことが是非とも必要だ。
なかでも、資金調達の種類として、デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスのどちらを選択する かは、ベンチャービジネスの生死にさえかかわる重要な問題である。

◎他人資本のデット・ファイナンス
デット・ファンナンスとは他人からの融資・借入や社債発行による資金調達のことで、この方法による 資金調達の場合一定期間後に資金を返済しなくてはならず、もし元本や利子・利息が返済できない 場合は直ちに倒産に追い込まれてしまう。
デット・ファンナンスでまず思いつくのは銀行からの融資であろう。
ただし、銀行など民間の金融機関は今でも基本的には担保主義である。
担保がなくては融資の相談され聞いてくれないほどである。
特に九八年四月からの早期是正措置の開始に伴う貸し渋りで、銀行から融資を受けることがますま す厳しくなることが予想される。ベンチャービジネスといわれるようなリスキーな事業に対する開業資 金となるとなおさらである。
そうした場合には「国民金融公庫」や「環境衛生金融公庫」などの公的機関の融資制度を利用する とよい。これら公的機関であれば、担保がなくても比較的容易に融資を受けることができる。

◎自己資本のエクイティ・ファイナンス
エクイティ・ファイナンスとはいわゆる増資のことで株式会社であれば新たに株主になってもらい、株 式を付与する代わりに資金を提供してもらう。
この方法であれば、一度払い込まれた資金は返済する必要がなく、出資者への配当も経営が苦し ければ払わなくてもいい。
もちろん、ベンチャー企業はリスクも大きく、すぐに利益を出せるようになるとはかぎらないので、事 業を失敗させないためには、エクイティ・ファイナンスによる資金調達には魅力がある。
エクイティ・ファイナンスという株式市場からの資金調達を思い浮かべるが、そのためにはまず株式 公開が必要であり、それは容易なことではない。
むしろ、創業期にはベンチャーキャピタルから出資を受ける方がエクイティ・ファイナンスとしては現実 的であろう。
また、今後はアメリカのベンチャービジネスのようにエンジェルからの出資も増えていくに違いない。
その反面、エクイティ・ファイナンスで資金調達した場合は、実際に事業が成功した場合には、他人 に会社の持ち分を譲った分だけその果実の取り分が少なくなってしまう。自分の株式のシェアが半 分以下にまで落ちてしまった場合には、会社自体を乗っ取られ、会社から追放されてしまう危険さえ ある。

いうまでもないが、様々な資金調達方法があるといってもその総て方法が誰でも利用可能になって いるわけではない。
ある程度の資産がなければ、銀行からの融資を受ける場合には審査にパスすることは難しい。ま た、証券市場から大量の資金調達するためには、純資産などの上場基準を満たして証券取引所に 上場するなどして株式を公開しなくてはならない。
ベンチャービジネスはそれぞれの成長段階に合わせて、自分が利用可能な調達方法が増えてくる ので、それぞれの段階で最適な資金調達となるよう財務体制を弾力的に変化させていることも大切 である。


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